しばらく私が膝枕をして休んだレンジ


そして、マイコちゃんに盛られたらしい薬も体内から抜けたらしく、2人で手を繋いで家に帰る


「…?ナナちゃん、その袋何?」


レンジは私の手に持つ袋を指差す


「ん?あぁ…ケーキよ」


「ケーキ?なんでまた」


「いやさ、アンタと私が両思いってマコちゃんから聞いてさ…ぶっちゃけ、お祝い的な感じで買ったのよ」


「そうなんだ…」


「で、帰り道にアンタが別の女の子と抱き合ってるシーンを見たわけ」


「ショックだった?」


「アンタね、当たり前でしょ?大体、私の事好きはだったならなんで黙って抱きつかれんのよ?」


「いや、女の子を突き飛ばす訳にいかないよ…」


まぁレンジの性格ならそうだろうな


だけど、今日から恋人になったし、クギを刺しとかないとな


「フン…まぁ今回は不可効力だからいーけど…浮気したら分かってるわよね?」



「しないって…」


しないとは思うけど、レンジは押しに弱いからなぁ…


心配だわ…


「…でもさ…さっき、マイコちゃんを突き飛ばしちゃったんだ…」


「え?マジで…?アンタが珍しいわね…」


「うん…薬を盛ったりまでして迫ってきたからさ…さすがに頭にきちゃってさ…」


珍しいわ…


レンジが怒るなんて…


「…多分、部活にも影響は出てくると思う」


「そうね…」


「まぁ、部長にも相談してみるよ…あ、そのケーキ食べようよ?」


「いや、家に帰ってからでも…」


「いや、僕お腹空いたし…ほら、家の近くにある公園あるじゃん?そこでさ♪」


「ま…まぁ良いけど…」


そして、私達は自宅から近い公園のベンチに座る


「うわ!グッチャグチャ…持ったまま走ったからなぁ…」


「ホントだ…まぁ味は変わらないし…ほら、スプーン貸して?」


ケーキっつってもコンビニで買った品物だからプラスチックのスプーンが付いてる


「ほら♪アーン!」


レンジがケーキをスプーンにすくって私の口元に近づけてくる


「えぇ!?ちょ!アンタそーいうキャラだっけ?」


「早く食べないと鼻に入れちゃうよ?」


「うぅ…あ…アーン…」


私はケーキを口に入れる


「どう?」


「へへ…甘ーい…♪んじゃ、今度は私ね♪」


今度は私がレンジの口にケーキを入れる


パクッと食べるレンジ


「んにゃ!指まで食べるな!!」


「いーじゃん?さっきキスしたんだし」


まぁ…悪くはないかな…


へへへへ♪


しかし…レンジってば恋人になってからやたら積極的だな…


意外にナンパなヤツかも


やっぱり、浮気には気をつけないと…


そして、私達はケーキを食べ終わる



「あ、これから付き合うにあたって1つ約束をして」


「え…何?」


は…恥かしいけど…


「ま、毎日1回はキスして…」


「え…いや…それは…良いけど…」


「よろしい!!」


こーでもしとかないと…


ひとまずは浮気防止に


それに…回数こなしてキスは上手くならないとな…



「チュ♪」


「ん!」


い、いきなりレンジが…キスしてきた!


ーカランー


私は食べ終わったケーキの容器を落としてしまう


…ケーキの甘い香りのキス


と…とろけちゃいそう…


あぁ…


結構、私…


早い段階でレンジに体を許しちゃうかも…


私って…


イケナイ女の子かも


「っぷは!いきなりキスはズルいわよ…!」


「だって、キスしろって」


「アンタ、結構積極的よね…」


「まぁ、付き合ってしまえばなんか積極的になれるんだよね…不思議♪」


「ま、まぁ良いけどさ…」


なんか…今まで悩んでたのがバカらしくなってしまった


こんなに幸せな時間…


あったんだ…




生き返って良かった…


そう思える


この思いが…


長く続くと良いな……


ううん…




長く…続けなきゃ…!!