街を早足で歩く


「うぁっ!!」


僕は足がもつれて転んでしまう


マイコちゃんに盛られた薬のせいでフラフラだ


「はぁ…はぁ…くそ…!!」


フラフラになり、頭もボンヤリしつつも僕はナナちゃんを探す


繁華街…学校…


思い付く場所を手当たり次第


でも…いない…


「うわっと…!!」


また転びそうになる


ダメだ…薬が抜けない…


意識が朦朧とする…


そうだ…!!


コンビニに入り、トイレに入る


そして、水道の水をガブカブと飲む


「はぁ…はぁ…!!」


そして指を喉に突っ込む


「おえっ!!ゲヘェッ!!ガハッ!!」


さっき飲んだ水をトイレの洗面台に撒き散らす


「ゴホェッ!!ゲホッゲボ…!!」


気休めかもしれない…


でもこれで少しは薬が抜ければ…


「はぁ…はぁ!!」


「ち、ちょっと…レンジ君…どうしたの?」


トイレで吐いてるとそこに部長が…


「あ…いえ…ちょっと吐いてたんで…」


「吐いて?君、飲酒でもしてるわけ?」


「するわけないでしょ…部長はどうしたんですか?」


「君ね、トイレに来たんだからションベンかウンコに決まってんでしょ?」


まぁそりゃそうだな…


「ウンコって…あ、ナナちゃん知りませんか?」


「ナナ?あぁ…見たわよ」


!!


「ホントですか!?どこで!!どこに!?」


僕は部長の肩を掴む


「ち、ちょっと…いきなり肩掴んで迫んないでよ…チューする気なの!?」


「教えてくれなきゃチューしちゃいますよ!!」


「え?」


部長が固まる


何故か顔が真っ赤だ


「なな、何でコンビニのトイレで私にチューしようとすんのよ!!つか…どうしたのよ…?ナナになんかあったの?」


「こ…告白するんです!!」


「は?」



部長がアングリと口を開ける


「え、何?アンタナナに告白しようとして私にチューしよーとしてんの?ぶっ壊れてんの?」


「冗談に決まってるでしょ!」


「じ、冗談って…結構傷付くわ…わ、私だって女の子なんだけど?チュー迫ってきて冗談てヒドくない…クスン」



「あ…いや!とにかく!ナナちゃんはどこに?」


部長を問い詰める


「あ、いや、先にトイレ行かせてくんない?漏れそうなんだけど」


「漏らして下さい!!」


「ンニャー!レンジ君が変態だわー!!」


部長が悲鳴をあげる


まぁ…とにかく…部長からはナナちゃんの居場所が聞けた


居場所と言っても結構前に歩いてるのを見たらしい


繁華街の雑貨屋さん


ボーッと品物の見てたのを外から見てるたそうだ


雑貨屋さんに向かう


だけど、ナナちゃんの姿はない


「すみません…」


雑貨屋さんの店に入り、店員さんに聞いてみる


「あら、いらっしゃい…坂崎君」


昔から使ってるお店だから店員さんとは顔馴染みだ


僕はナナちゃんの事を聞いてみる


「背の低い…可愛い女の子…」


「はい…あ、後、胸はかなり控えめです」


「あー!マグカップ見てた女の子かしら?…もしかして、坂崎君の〜…彼女かしら?♪」


ニヤニヤと笑う女の店員さん


「あ…いや…えと!探してるんです!」


「へぇ〜でも、どこに行ったかまではわからないわねぇ…あ、でも店出て右行ったわね」


右……


右の方向は…


神社!!


「あ、ありがとうございます!」


僕は慌てて店を出る


まだ居てくれ…!!


早く行かないと…


もう会えない気がする!!


そんな気がしてならない!


僕はフラつく足に気合を入れながら走る


まだ…


居てくれ!!