マイコちゃんが席に戻ってくる


「ゴメンね…あ、パフェ食べてても良かったのに」


「あ…いや…」


「お茶したらさ!小物見たいからどっかお店に…」


ーカランカランー


その時


喫茶店に入ってくる数人の集団


「おー…レンジ君に……マイコだっけ?」


マコ姉ぇだ!


恐らく、高校の友達だろうか…数人を引き連れてる


「あ…どうも…部長の先輩ですよね?」


「ん?まーねぇ♪つーか珍しい組み合わせね……レンジ君が…ナナちゃん以外、の女の子とお茶なんて」


…マコ姉ぇ…ナナちゃん以外の所をワザと強調してる…?


マイコちゃんを見る


一瞬…一瞬だけ眉間にシワを寄せた…!


「マコ、もしかしたらこの2人カップルじゃね?」


マコ姉ぇの友達がマコ姉ぇに聞いてる


「あ…分かりますか?アハ♪今日から付き合う事になったんです♪」


「だってさ〜やっぱ!邪魔しちゃ悪い…」


「あ〜…今日は私が急にお茶に誘ったからさ、アンタら先に頼んどいて?奢るから」


マコ姉ぇは友達達にお金を渡す


「マジで?つか、マコは?」


「あー私はこの男の子…親戚だからさ…ちょっと話あるから…来て?裏の駐車場に」


「あ…うん…」


「れ…レンジ君?」


「悪いね…マイコ…私ら親戚だからさ…ちょっと話あるから」


「あ…はい…」




僕は駐車場に連れて行かれる


「…どういう事?」


「あ…いや…その…」


僕は今までの経緯を話す


「…はぁ…」


マコ姉ぇは深くため息を吐く


「ねぇ、レンジ君…」


「な…何…?」


「君って優しいし、男の子らしからぬ気遣いも出来るし素晴らしいと思ってたわ?」


「………」


「だけど違ったわ」


「…!?」


「グズ…とんでもないグズ」


「………」


言い返せない…


「何なの?アンタ…好きでもない女の子のペースに巻き込まれてパフェまで喰って」


「そ…それは…僕が押されちゃって…」


すると…マコ姉ぇは僕の胸ぐらを掴んできた…!


「…いつまで感違いしてんのよ?人が良いってのはそういう事じゃないのよ?」


「ま…マコ姉ぇ…」


「アンタはね、人が良いままで、優しいレンジ君、のままで過ごしたいって思ってるからこうなるのよ?」


……!!


「そんな、自分の今まで作り上げて来た人格に…甘えてんのよ!!」


マコ姉ぇが怒鳴る…


でも、その通りだ…


「んで、どーにもなんなかったら頼れる従姉妹のお姉ちゃんを頼って助けて下さいってなぁ…虫が良すぎんのよ!!…このグズ!!」


ードシン!!ー


僕はマコ姉ぇに突き飛ばされる


「サイッテー…アンタマジで最低!大っ嫌い!!」


「マコ姉ぇ…」


「ナナちゃん…様子がおかしかったわ…」


「え…ナナちゃんが…?」


「道端でいきなり大声上げたり、私の掴んだ手を振りほどいて走って逃げちゃうし」


逃げちゃう…?


「最後に、私…ウソつきって言われた…涙流しながらね」


「ウソつきって…え?」


「…君達ね…両思いだったのよ?」


!!!


「ナナちゃんが相談しに来てさ…私、我慢出来なくて言っちゃったのよね…その辺りは謝るわ」


「そ…相談…?」


マコ姉ぇは1つ溜息を吐くと…


「昔から、レンジ君とナナちゃんから相談受けてたの…僕はナナちゃんが好き、私はレンジが好きってね」


「そ…そんな…」


ナナちゃんが…


「ナナちゃん、すっごい喜んでたわ…変な声出してたし…」


じ…じゃあ…ナナちゃんは!


「結局…両方私が言っちゃったわね…」


そんな…ナナちゃんが…!



マコ姉ぇは駐車場の車輪止めに足をかける


「良い?今日中にどうにかしなさい」


「今日中…」


「あのマイコってのを今すぐに振って、ナナちゃんを彼女にしなさい!」


「…う…うん…」


「返事が小さいわ!!」


「あ…うん!!」


マコ姉ぇは突き飛ばされた僕の側に寄り、しゃがみ込む


そして




「突き飛ばしたりしてゴメンね…でも…お姉ちゃんからの……最後のお願いよ?」


「ま…マコ姉ぇ…!?」


マコ姉ぇが……涙…


「このままレンジ君がナナちゃん以外と付き合うのも…ナナちゃんが泣いてるのも耐えられないの…だからお願いよ?」


「わ…分かった…!!」






……何とか今の状況を打開しないと!