「…………」


私はテクテクと繁華街を歩く


なんだ……


マコちゃん、感違いじゃない


レンジが好きだったのはマイコちゃん


あー…良かった!!


私、振られちゃうとこだったわ!!


危ない危ない!


しばらく私は繁華街でウィンドウショッピングをする


「あ、これ可愛い♪」


店先に並ぶ服や小物を見て回る


「お、このマグカップ…良いな♪」


雑貨のお店の店先に並ぶマグカップ


「あら?そのマグカップ人気なんですよ?2つのセットなんです」


お店の従業員が話掛けてくる


「2つのセット…?」


「ほら、夫婦茶碗ってあるじゃないですか…あれのマグカップの…」


「あ…そうなん…ですか…」



「良かったら彼氏に…」


「い、いや…また今度…」

私は店を後にする


しばらくフラフラと歩く


ふと、私は歩みを止める






…いや、歩けない


「………な…」


「な……」






「なんでよぉ!!!!」


繁華街で大声をあげる私


周りの人がビックリして私を凝視する


「ちょっと君…どうしたの?」


偶然通りかかったお巡りさんに話掛けられる


「あ…いや、何でも無いです」


「…?なら良いけど、いきなり大声出したらダメ…」


「あーお巡りさん!」


「…マコちゃん…」


マコちゃんがどっから出てきたのか分からないけど現れてお巡りさんに話掛ける


…どこにでも、現れる人だな…


「この娘、私の友達!元気良くってさ!ごめんなさいね?」


「なら良いけど…」


お巡りさんはマコちゃんの話を聞くと立ち去っていく


「ほら!!ナナちゃん!行くわよ!どーしたのよ?」


マコちゃんが私の手を引っ張る


「…?どうしたの?」


私は動かない



「…いや」


「は?」


「いや…触んないで」


「ちょ…せっかくお巡りから助けてあげたのにさ…それはヒドイんじゃ…」


「…ヒドいのは…どっちよ…」


「え?」





「ウソつき…!」


耐えられない


私はマコちゃんの手を振りほどき、走る


「ちょ!ナナちゃん!!どーしたのよ!」


走る


走る……


どこまでも…!!


「はぁ……!!はぁ!!はぁ…!!」


いつの間にか、私は知らない場所にいた


「グス……」


……


いつの間にか…


涙が出てる


「グス……う……!!ふぇ…グス…!!」


ダメだ…


涙が止まらない……


「う…うぅ…あぅ…グス…!」


マコちゃん……


感違いだったのかな…?


…酷い事言っちゃった…


辺りはいつの間にか人のいないあぜ道


「う…うわぁぁぁん…!!ふぇ…!グゥ……!!」


私はついに大声で泣き出してしまった


レンジは…私の事…好きじゃなかったの…?


それとも…進まない関係に愛想を尽かしちゃったの?


………


抱き合ってた…マイコちゃんと


マイコちゃんと…レンジがデートして


ご飯とかお茶して


…キスして、ベッドで裸で抱き合って…


「ひぐ…!うぐ…!うぅうっ……!!」


それを想像したら更に涙が溢れる


ひとしきり泣いた後、私は立ち尽くす


既に、辺りは夕闇が迫っていた…