「………」


私達の側に寄る小さな人影





「な…ナナちゃん!!」


なんと、私達の側に寄って来たのは


ナナちゃんだった


これって…


チャンスだわ!!


「白昼堂々抱き合って何やってんのよ?」


「い、いや!こ、これは!!」


レンジ君は慌てだす


「そっかそっか♪良かったじゃん!」


…?


「レンジが好きな人ってマイコちゃんだったのね!」


「へ…いや!これはその!!」


「いや〜薄々気付いてはいたんだけどさ!そーかそーか!」


何だ?


えらく普通の反応…


「いやー!良かったわ!幼馴染みが恋人出来てさぁ〜!」


「いや!ナナちゃん!これは違…!」




「ありがとう♪」


私はナナちゃんにお礼する


何を感違いしてるか分からないけど、これは好都合だわ!


「いや!これは仮であって!」


「仮?何ワケ分かんない事言ってんのよ!照れてんじゃねーっつーの!」


「ウフフ♪ありがとう!」


私は更にレンジ君に強く抱きつく


「おーおー♪私は邪魔だよねぇ…♪………邪魔…だよね…!」


…?心無しか、声が震えだしたわ


「じ…じゃあね!私、用事あるから!!」


ナナちゃんは足早に私達の元から去る


「ちょ!ナナちゃん!待って!」


レンジ君の声、聞こえてるはずなのにナナちゃんは振り向かないで行ってしまう


…どうやら…


あれは演技…


腹の中じゃ、よっぽどショックだったんだわ♪


最後、声が震えてたし♪


「ちょ!離して…!!」


「あら?ナナちゃんは用事あるって言ってたじゃん?別に良いじゃない?」


行かすもんか!!


仮だろうとなんだろうと、今は私の彼氏なんだ!


…他の女の所なんかに行かすか!!!!


「レンジ君?」


「な…何?」


「仮だろうとなんだろうと…今は私の彼氏でしょ?………頷いたよね?」


「……!!」


レンジ君の動きが止まる


「……私を裏切るの?」


「い…いや!そーいう事じゃなくて…」


「とにかく…!せっかく付き合ったんだしさ!どっかでお茶しよ?…デートだよ♪」


「…あ…いや…う…うん…」


ふふふ…♪


なんて幸運なの…!


こんなに事が上手くいくなんて♪