「え…?ちょ…!?それって…?」


「好き…ずっと好きでした…!」


休日


私はレンジ君を公園に呼び出した


なるべく人気の無い、更にレンジ君の家から離れた公園


そして…想いを伝える


「いや!ま…マイコ…ちゃん?な…何で僕なんか…」


「何でって…好きに理由なんて無いよ…好きなんだもん」


「………」


レンジ君は困り果てた様子


レンジ君をこうやって呼び出したのは正解だったわ…


ナナちゃんに邪魔されないし…


初めからこうやれば良かった


「い、いや〜もしかしたら…部長達に言わされたとかじゃないの?…部長…タチ悪いから…」


レンジ君は回避をしようとしている


「…どうして…そういう事言うの……グス…」


「ま…マイコちゃん?」


「私…勇気出して言ったの…部長達なんか関係無い…グス」


…別にウソ泣きじゃない


不思議と涙が溢れる


「ちょっ!泣かないでよ…!」


「グス…私…1年からずっと好きだったの…だから…お願い…」


「いや…!えと…!僕は…」


!!


そのセリフの続きは言わさない!


「お願い…です…私と…付き合ってください…!」


僕は好きな人がいる


とでも言うつもりだったんだろう


そんなの言わさない…!


「いや…その…困る…よ…」


「困る……私が…レンジ君を好きになったら…困るの…?」


「い、いや!決してそーいう訳じゃ!!」


「だったら…お願い…私と付き合って…」


「いや…その…」


中々答えを出さないレンジ君


私は1つ提案してみる


「…そうだよね…確かにいきなり好きなんて言われたら困っちゃうよね」


「え…あ…いや…その…」


「私ね…レンジ君が好きだったから、文化祭の劇で主役の女の子に立候補したの…」


「そ…そうなんだ…」


「だから…文化祭まででも良い…お試しでも良いの…私と付き合って…ください…」


「お…お試し?」


「私はレンジ君の事が好きだけど、レンジ君はまだ違うよね?だからね、文化祭までで良いから私を彼女として見てほしいの…」


「文化祭まで…?」


レンジ君の様子が変わる


畳み掛けるチャンスだわ!


「文化祭終わったら、また気持ちを聞かせて…?」


「え…いや…えと…」


「文化祭まで、私を好きになってもらう…!そのチャンスだけでもちょうだい!」


お試し…


それでも構わない


「お試し…って…そんな…」


「お願い…!お願い!お願いお願いお願いお願いお願い!」

.
私は土下座せんばかりに頭を下げる


「わ…分かったよ…!そんな死に物狂いで頭を下げないでよ!」


「分かったって事は…良いの?」


「い、いや…文化祭までのお試しなら…」


やった!!


頷いた!!


「ホント!?嬉しい!!」


「う…うわ!!」


私はレンジ君に抱き着く


「ちょっ!何で抱き着くの!?」


「だって、恋人同士ならこの位当たり前でしょ?」


「いや…仮でしょ?」


仮だろうとなんだろうた構わない


フフ…うりゃ…!


私は胸を思い切りレンジ君の体にムニムニと押し付ける


「……!!」


レンジ君は胸を押し付けられるのを気付いたみたいで戸惑っている


今日はスポーツブラだから感触が丸わかりのはずだ!


「ちょ…離れ…」


「いや♪嬉しいんだもん♪」


その時


ージャリー


土を踏みしめる音


誰かが私達の側に近寄ってきた…