あれからしばらく経った放課後


レンジの様子がおかしい


なんかソワソワしてる


2人きりになるとやたらにソワソワし出すし、人気の無い場所なんか特にそうだ


「あ…あのさ!」


「…何よ?」


今日も何かを言い出すレンジ


でも、いっつも最後まで言わない


「あ…えと…やっぱなんでもない…」


「…5回目」


「え?」


「そーやって何かを言い出して、やっぱなんでもない〜ってヤツ」


「あ…ゴメン…」


「何なのよまったく…コッチは気になってしょーがないっての!」


レンジは優しい男の子


でも、優しいが故に自分の気持ちや意見を押し殺したりしてしまう


「…何か私に言いたい事あんでしょ?」


「あ…いや…」


レンジは俯く


「別に…無理して言わなくても言いからさ…その内容って良い事?悪い事?」


レンジは黙って考える


「良い…事になるのかな?」


「なら言いなさいよ!」


「い、言わなくても良いって言ったじゃん!」


「良い事なら問題無いでしょ?」


「う…う〜ん…」


またもや悩んでしまうレンジ


「まったくアンタはそーいうとこ、昔から変わんないわよねぇ」


「…ゴメン…」


謝るレンジ


でも……レンジが言いたい良い事って何かしら?


…まさか…


彼女が出来たとか!?


いや、そんな素振りは微塵も無かったわ…


でも、レンジはそーいう所を隠すの上手いしな…




マコちゃんに相談してみるか…


次の日はお休みだし、行ってみよ!


ー翌日ー


「で、そんな訳なのよ」


「へ…へぇ…」


マコちゃんは真剣に私の話を聞いてくれる


「よ…様子がおかしくなったのっていつくらい?」


「んと…あ、そうそう!アイツがマコちゃん家に向かった翌日からかな?」


「………」


マコちゃんは黙る


「…?マコちゃん?どうしたの?なんか知ってるの?」


レンジはマコちゃんに何かを話したのかしら?


「い…いや…まぁ…なんつーの?相談されたわ」


「へ?相談?」


「うん」


マコちゃんはゆっくりと頷く


「相談…どんな相談だったの?」


「言えない」


「え?」


「言ったら…反則………」


「反則?」


「反則……だけど……」


マコちゃんは俯いて…震えてる?


だけど、次の瞬間


「あーーーー!!メンドくせぇ!!!何なのアンタら!!」


「うひゃあ!?」


マコちゃんがいきなり大声を出す


「マジメンドくせぇ!!何年ウダウダやってんのよ!!レンジ君もナナちゃんも!!ピギャーー!!」


「ま…マコちゃん?ちょ…落ち着いてよ…」


「落ち着く?私ゃ落ち着いてあなた達の行く末を見守ってきたわ?だけどもー限界!!フシャー!!」


猫みたいな声で私を威嚇するマコちゃん


「ど…どうしたのよ…いきなり…訳わかんないよマコちゃん…?」


私のその言葉を聞くとマコちゃんは一旦落ち着く


「君達ね…何年そーやってお互い好き好き、でもでも!ってやってるわけ?」


「え…あ…いや…」


確かにマコちゃんには事ある毎にレンジの事を相談してきたけど…


そこまで怒んなくても…


「ホンットにマジギレすんわよ!いー加減お互い気が付いたらどーなのよ!!」


マコちゃんは頭を掻き毟る


「え…?あ…いや……ん?」


…なんか…今の会話…おかしくなかったかな?


「あぁ〜!!!ここまで言ってんのに気が付かないわけ!!?」


「あ…えと…え?お互い…?」


「………」


マコちゃんは急に押し黙る


「お互い…え?お互い?」



「そー!!」


お互い……


えーーーーーー!!?