「………」


「………」


互いに無言


マコ姉ぇが無言で乱れた服を直す


「あ…あの…マコ姉ぇ?」


「あ〜…まぁなんつーの…レンジ君ってメッチャ激しいのね」


「い…いや…」


「マジでビックリだったわ…ハンパなかったわ♪」


「い、いや…何もしなかったじゃんよ…」


「ふふーん♪押し倒されて服まで脱がされかけたからねぇ…何もしなかったってのは違うんじゃない?」


そう、僕は何もしなかった


…うん!何もしなかった!


何故かって…それは…


ー10数分前ー



「ちょ!マジ!?ごめんって!お姉ちゃん謝るから!ね!?お願い!」


ーカチャカチャー


「だー!!何をベルト外してズボン脱ごうとしてんのよ!!」


「だって!脱がなきゃ出来ないじゃんよ!!」


「ひぃ!!」


マコ姉ぇが怯え出す


そして、僕はマコ姉ぇにのしかかる


「ちょ!いや…!ストップ!!ちょ…お…お願い!お姉ちゃん……お姉ちゃん…」


マコ姉ぇが何かを言いかける


そしてマコ姉ぇは叫ぶ





「わ…私…私…!処女なの!!」








「……は?」



「う……グス…お姉ちゃん……まだエッチした事無いの…う…グス…」


「な…え?う…ウソでしょ?」


「ウソぢゃないもん!!まだ純潔だもん!」


そんな…


いつもあれだけエロい会話してるのに!?


「犯されちゃうよぉ!うわわーん!!」


大泣きしてしまうマコ姉ぇ


「い、いや!ちょ!泣かないでよ…!」


「うわーん!初めてがレイプなんてヤダよーー!!」


ーそして今に至るー


もちろん、そんな状態でマコ姉ぇに襲いかかる訳にもいかず…


結局何もしなかったわけだ


「つーかマジで怖かったわ…少し覚悟したもん」


マコ姉ぇの目を見るとまだ赤い


本気で泣いてたんだ…


「いや…マコ姉ぇが…その…まだした事無いなんてビックリなんだけど」


「あのね…私をヤリマンだと思ってだわけ?」


「……」


「無言で頷くな!!」


枕を投げてくるマコ姉ぇ


「まーなんつーの…それだけの勢い出せるんなら、大丈夫だっての!」


「う…うん…」


マコ姉ぇはお菓子の袋を開ける


「レンジ君はさ、石橋を叩いて渡るタイプよね」


「え?そう?」


「うん、つーか危なそうな橋だったらしっかりと強度計算してそれから渡りそう」


……僕は…臆病だったのかな?


マコ姉ぇは1つ、小さなため息をつくと僕を見つめて言った




「壊れそうな橋も、駆け抜けてしまえばなんて事ないかもよ?」


「……!」


確かにそうだよな……


僕は何を迷ってるんだろう


「だからね?近い内にレンジ君の想いをしっかりと伝えなさいよ?」


「う…うん!」


マコ姉ぇは僕の返事を聞くと満足したみたいだ


「で、私パフェ食べたいの」


「は?」


「パフェ食べたいの」


「は?…いや…意味が分からないんだけど」


「パフェで許してやろうって言ってんのよ?」


「え?」


「押し倒されて上着を捲られてブラは見られる、パンティは脱がそうとする…君の固くなったモンを太ももに押し付けられる」


「え?」


「明らかに婦女暴行よね?」


「い…いや!!アレはマコ姉ぇがあんな悪ふざけをしてくるから…」


「良かったわねぇ…トーちゃん達が妹連れて出かけてて…トーちゃん達いたら大変だったわよ?」


「う…」


「駅前にあるじゃん?喫茶店!あそこのスペシャルパフェ食べたいのよねぇ」


「あ…あれってメチャクチャ高いじゃんよ!1200円するんだよ!?」


「今から泣きながら股を押さえてナナちゃんの所行こっかな?」


ダメだ…


逆らえない…


「分かったよ…」


「ヘヘーん♪やりぃ!」


まったく…


悪知恵だけは余計に働くんだから…