「ふむ、失敗か…」


「ごめんなさい…」


自宅、ヒトミさんはタバコに火を付ける


「まぁ、お互いに邪魔だてが入ったからね…」


「うん…クルーだっけ?ヒトミさんが邪魔されたのは」


クルー…


テラーの選りすぐりの4人をクルーと言うらしい


「まぁな…お前の方はどうだったんだ?」


「あ…うん…その…全く歯が立たなかったわ…」


「ふむ…マイコが全く歯が立たないなんてなぁよっぽどのヤツだね…何か言ってたか?」


「…ナナちゃんとは、正々堂々と勝負しろって…それで私に軍配が上がるなら何も言わないって」


「ふむ…」


ヒトミさんは考える


「まぁ良い…私はちょっと出掛ける」


「あ…うん…」


時刻は既に23時過ぎ…


こんな時間に…?


「委員会?」


「……まぁ、そんなとこだ」


ヒトミさんはリビングを出る


その時、ヒトミさんは私に言う


「相手が正々堂々と言うなら、そのやり方でやれ…それで勝ちな」


—パタン—


リビングのドアが閉まる


正々堂々…か…


ヒトミさんがそう言うなら私は迷わない


正々堂々…


普通にレンジ君に想いを伝えれば良い…


私は自分の部屋に戻る




そして考える


近い内に…


レンジ君の家に行こう


ナナちゃんが居ても居なくても


私の想いを伝えるべきだ


そうして、私は眠りにつく


深く、深く決意をしながら…