…僕は今、自宅のお風呂に海パンという不思議な姿で立っている


…何なんだ?


いきなり背中を流すって…


まぁ…僕に海パンを履けってなくらいだからな


ナナちゃんも水着のはずだ


でも…


普通…男女でお風呂って言ったら恋人同士でやる事だよな…


すっごくドキドキしてる…僕…


き…昨日自分でシテおけば良かったな…


ど…どうか!


どうか!


……発射しませんように!!


(入るわよ?)


ナナちゃんだ…


ナナちゃんは意外にもすんなりと風呂場に入ってき…


え!!?


「何よ?」


ち…ちょっと!


バスタオル1枚ぢゃないか!!


ま…まさか!


下は真っ裸だとでも言うのか!?


「ほら!イスに腰掛けなさいよ」


「あ…う…うん…」


言われるがままに、僕はイスに腰掛ける


そして…ナナちゃんが僕の背中をアカスリでこすり始める


「やっばさ、アンタデカくなったわよねぇ…」


…えぇ…そりゃもう!


下半身はバッチリです!


一応、トランクスタイブのラフな海パンを選んで、さらに腰ひもを緩めに結んであるから目立たないはず…


まぁ、ナナちゃんが言ってるデカいってのは体格の事を言ってるんだけど


「…お客さん?こういうお店は初めてなのぉ?」


「え?」


いきなり艶かしい声でナナちゃんが変な事を…


「あれ?エッチィお店ってこう言うんでしょ?」


…部長からいらない知識をだいぶ授けられたんだな…


「あのね、僕未成年だよ?」


「あは!そーいやそうね〜♪」


「もー…仮に僕がそーいうお店行ってたらどうするの?」


「ん?ブチ殺すわ♪」


サラリとブチ殺されてしまうのか…


背中を流しながら僕らは話す


「昔もさ、たまにこーやって洗いっこしてたわよね?」


「…うん…小学校1年位でしょ?」


「そーそー!」


「ナナちゃん、シャンプーハット使ってたよね?」


「ふふん!今はいらないわ!」


「当たり前でしょ?」


湯煙の中、昔話に花が咲く


「あの時はさ、私は施設の子供だったから…たまにしかレンジん家に来れなかったせいもあるんだけど…」


「けど?」


「レンジと一緒に暮らしたかったんだ…私」


「僕と…」


ナナちゃんの手が止まる





「私さ、家族って居なかったし…施設の先生やお友達には恵まれたわよ?」


ナナちゃんには家族はいない…それは知ってる




「でもさ…やっぱり家族じゃないのよね」


アカスリが少し動く


「家族に近いって言ったら…やっぱりレンジだった…」



「あはは♪僕もそんな感じだったかなぁ…なんか、妹みたいでさ」


「は?アンタが弟でしょ!?オルァ!」


—ザリザリザリリ!—


「痛たたた!」


渾身の力でアカスリをこすり付けてきた…


「参ったかしら?弟♪」


「暴力おねーちゃんじゃないか…」


「でもさ…私達、姉弟じゃないのよね…フツーに男女なのよね」


「…うん…まぁ…」


男女…


ナナちゃんは…一体何を言いたいんだろうか


「ま…まぁ良いわ!ほら!背中終わったわよ」


「うん…」


「前は自分でやんなさいよ?」


「前?」


「おちん…オルァ!!」


—バチン!!—


「痛ーい!」


背中をビンタしてきた…


「変態!!何を言わせようとしてんのよ!」


…やっぱり相変わらずだな…


そして、僕は湯船に浸かる


「ちょっと…何を王様みたいにくつろいでんのよ?」


「へ?いや…だって背中流すの終わったし…」


背中を流し終わったらナナちゃんは出て行く


そう思っていた


「は?私も入んのよ…湯船に浸からせなさいよ」


「え?」


「んしょと…」


バスタオルをほどいてしまうナナちゃん


「うわー!!」


「ちょっと…何を女の子みたいに顔を隠してんのよ…よく見なさいよ」


恐る恐る見てみる僕


ナナちゃんは…フツーに水着だった


夏に着たビキニタイプだ


湯煙で良く分からなかった…


「ほらほら!足を曲げる!」


「う…うん…」


—チャプン—


「さすがに2人で入るとキツイわね」


「あ…あのさ…抵抗無いの?」


「ん?だって水着だし」


水着だと抵抗無いのか…


不思議だ…


「別にプールだって一緒に入ってるんだしさ…気になんないわ」


「うん…まぁそう考えるのもアリか…」


「何?アンタ別の事考えてんの?」


「いや…っていうか…これ…かなり密着…!」


「何で腰を引くのよ?」


いや!それは口に出したら絶対に怒る


「……!ははーん…アンタ、エッチぃ気分な訳ね?えい♪」


「ちょ!」


プニプニと太ももを僕の身体に押し付けてくる!


普段なら激怒するのに!


「ちょ!僕…のぼせちゃうから出るよ!」


僕は我慢出来なくて湯船で立ち上がる


「ん……ひ…あ…!!」


僕が立ち上がると同時に…


海パンが……


脱げてしまった!


「ひぎゃーーー!!!」


対面で座っていたので、正にナナちゃんの顔面にモロに!


「うぎゃー!ヒギャー!ホッペに!ホッペに!ペタンて!!にぎゃーー!」


—バチンバチンバチンバチン!!—


「痛い痛い!太もも叩かないで!」


「早く出なさいよ!変態!エロス!」


「ごめんって!!」


僕は慌てて風呂場から出る


太ももが真っ赤だ…


痛い…