私は目をギュっと閉じてしまった


「ふむ…一発で決まったわね…2人とも、目を開けなさい」


私は恐る恐る目を開く


私がグー


ナナちゃんがチョキ


「私の…勝ち…!」


「そ、よろしく頼むわよ?マイコ」



やった…!やったやった!


こればっかりは運次第だったけど…やった!!


レンジ君と…お話の中だけど…恋人になれる!!


「…頑張ってね…マイコちゃん」


ナナちゃんが寂しそうに、でも穏やかな顔で私を激励してくれる


「さぁ!主役は決まりね〜!後はその他よ」


部長はその他の役の配役に移る





主人公の女の子


…この配役…恐らくナナちゃんは勝負を仕掛けてくると思った…!


だけど、勝った!


この配役だけは譲れなかった…!


前回のお祭りでは完全にナナちゃんに負けたけど…


今回は私の勝ち…!


このチャンス、最大に生かさないと…


「でも、部長…なんで部長達は主役に名乗りを上げなかったんですか?」


レンジ君が部長に質問する


「あー私達は去年、主役級をやったからね…基本的には文化祭は2年が主役をやるのが…ま、習わしみたいなもんね」


そうだったのか…


まぁ部長達までもが名乗りを上げたらそれこそ危なかったわ


「来年はあなた達が中心となるのよ?私達に、良い意味で引導を渡してちょうだい」


喜多見先輩が私達を見ながら語る


結局、ナナちゃんは主人公の女の子のライバル役の女の子になった


「まぁ、この役もある意味で重要だし、かつ、難しいわ…!ナナ、頑張りなさい!」


部長がナナちゃんを激励する


「はい…!」


ナナちゃんはそれに呼応するかの如く、返事をする


まぁ…


現実でも、ナナちゃんはライバルの女の子の如く散っていくんだ…


最後に勝つのは私…!


油断せず、じっくりとやっていかないと…!