ナナちゃんは朝から出掛けたまま帰ってこない


なんか、買い物とか言ってたけど…


あ、そういえばナナちゃん洗濯物出してなかったな


僕は無人のナナちゃんの部屋に入る


「あーあぁ…脱ぎっぱなしで…」


パジャマをあちこちにぶん投げて…まったく…


「ん?」


ベッドの枕元にノートがある


「なんだこれ?…日記じゃないな…なんだろ?」


僕はペラペラとノートをめくる


…なんだこれ…!?


様々な人間の名前


男女年齢を問わず書いてある


そして名前の一覧の隣には


殺人、強姦、窃盗、詐欺


様々な犯罪が書いてある


そして…ほとんどの人間には済


と書いてあった


「なんだこれ…?気持ち悪いな…」


しかし、最後まで見ると驚きの名前が出てくる


坂崎レンジ


僕の名前が…?


しかし、僕には犯罪の様な事は一切書かれてない


代わりにあるのは


特殊


その一言だった






「何をやってんの?」


「!!」


真後ろから声が…


声の主はナナちゃんだった


ナナちゃんをは僕からノートをふんだくる


「……中身…見たのね?」


低い声で僕に問いかけるナナちゃん


「あ…う」


こんなナナちゃんを見たのは初めてだ…


僕を鋭く見つめ、ノートを抱きしめる


「アンタには関係無いから…」


ノートを机にしまうナナちゃん


「勝手に人のノート、見ちゃダメでしょ?」


「うん…ごめん…」


普段ならパンチやキックが飛んでくるのに…


異常なほどに冷静なナナちゃん


しばらく、静寂が続く



「ま、パンツを盗まれるよりは良いか♪」


急に笑顔になるナナちゃん


「あ…あのね…盗もうとはしてないんだけど」


「どーだか!?なんかエッチな事に使おうと思ってたんじゃないの〜?」


ニタニタと笑うナナちゃん


なんか、急にいつも通りになった…


「男の子は…えっと…1人エッチすんでしょ?」


「え…?あ…いや…その…」


「まぁ!うら若き、超絶美少女が同居してればムラムラもするか!」


「なんなの…自分で美少女って…」


「だって私、顔は可愛いし♪」


…どんだけ自信家なんだ…


部長達と交わって、変な風にならなきゃいいけど…


「とにかく!人の物を勝手に見ない事!分かった!ったく…エッチなんだから…」


そういうとナナちゃんは僕を部屋から追い出す


結局…なんだかごまかされたかんじだなぁ…