私達はお祭りを大いに楽しんだ


部長の奢り?もあってかそんなにお金も使う事も無かったし…


とにかく、楽しかった


「ふぃ〜喰った喰った♪ナナ、たくさん食べた?ゲフ♪」


「あ、はい…つか、ゲップを吹きかけないで下さいよ…」


お店回りをしていた部長が帰って来た


「部長も凄い食べましたよね?…全部奢りですか?」


「まさか!!売れ行き不調な所にはちゃんと払って来たわよ?ナナ…私をそんなに厚かましい女の子だと思った?」


「あははは…」


他人から見たら充分厚かましい部類だと思う


「ま、そろそろお祭りも終わりだし…次行こうかしら?」


「次?」


すると喜多見先輩がチョコバナナをペロペロしながら



「マナミは花火用意してるのよ」


「ラン…アンタチョコバナナ食うのは良いけど、イヤラシイ食い方しないでよ」


「エロ大王のあなたに言われたくないわ」


「とにかく、みんな〜次は花火に行くわよ〜!」


「はーい!」


そして、部長に引き連られ、結構広めな空き地に入る


「ここ、勝手に入って良いんですか?」


レンジが部長に尋ねる


「あーここはじーちゃんの土地だからね」


なんだろ…どこもかしこも部長のお家の土地なのかしら?


そして


「喰らいなさい!!30連発!」


喜多見先輩がノブアキ君に向けて30連発の花火を射撃する


「危ないですよ!先輩!」


「ノブアキ君?男の子だったら弾き返しなさいよ♪」


…喜多見先輩もなかなかドSだ…そして、恐ろしい無茶な要求をするな…


「〜♪」


レンジが鼻歌を歌いながら楽しんでる


その手にあるのは…線香花火


何故にいきなりあんなさみしげな花火を…


「アンタ…いきなり線香花火に手をつけてんの?」


「ん?あぁ…何か好きなんだよね…僕」


淡く儚く散る線香花火を見つめながらレンジが呟く



「ちょっと〜何いきなり儚い花火やってんのよ?」


部長が私とレンジの間に割ってはいって


「…ま、なんつーか、レンジ君らしいわね」


「僕らしいって何ですか…はは♪」


レンジが苦笑いをする


そしてレンジは花火を見つめながら


「部長達、文化祭終わったら引退ですね」


「ん?まぁね…ふふふ♪寂しい?」


「そりゃもちろんですよ…数日の差ですけど、僕が1番長いわけだし」


そうか…レンジが1番長いのか…


「可愛い事言っちゃって…ペロペロしちゃうわよ!」


部長が舌を出して舐める仕草をする


「あはは…でも、可愛いなら部長だってそうじゃないですか」


「は?…まぁそりゃもちろん私は人気がある訳だし」


「将来の夢はかわゆいお嫁さん」


「は?」


「喜多見先輩の事、ランちゃんって呼んでたんですよね?」


「ちょ…!何でその事を…!」


珍しく部長が慌てだす


「ランね…アイツ…!」


花火で遊んでる喜多見先輩を睨みつける部長


それに応えるかの様にニヤリと笑う喜多見先輩


「お嫁さん…ププ♪」


レンジが口元を手で押さえて笑う


「ちょっと…笑う事ないじゃない…女の子なら誰だって夢見るもんよ?」


「あははは♪すいません」


「まったく…失礼ね…ねぇナナ?」


部長は私の肩に手を回す


「うん、ヒドイ男です」


私も部長の味方をする


「今日は私のパンツ、ポケットにしまい込んでたし」


「ちょっと!何で今言うの!」


レンジが焦る


「ま!イヤラシイ…アレに巻き巻きしてなんかやるつもりだったんじゃない?」


「変態ね」


「そんなわけないよ!」


レンジが反論する


「…ま、私に冗談の1つでも言える様になったって事ね…フフ」


部長はレンジの肩を叩く


そして、レンジの肩を掴む


かなり強く掴んでる…


「後は…ね?」


「へ?」

レンジがキョトンとしている


「まぁ…文化祭までは私達3年も全力出すからね!覚悟なさいよ♪」


「分かりました…でも部長達、受験って大丈夫なんですか?」


受験か…そうだよな…3年生は受験を控えているんだ


「ん?あー私とランは推薦だからね」


「推薦…」


「私もランも、バカじゃないわよ?学力は学年じゃいつも20位圏内よ?」


す…すごい…!


そーいや、レンジって勉強出来るのかな?


高校も一緒の所行きたいなぁ…


そして…




「さて…花火もやり尽くしたし…火の始末はOK?」


部長が辺りを見回し、残り火を確認してる


「今日は結構遅くなったし、ここで解散ね!寄り道しない事!分かった?」


「はーい」


私達は各々解散する