くそう…


部長に急に誘われたから浴衣なんて用意出来なかったわ…


ナナちゃんが浴衣で歩き回る姿を見て後悔する


なんなのよあれ…


あの容姿でピンクの浴衣なんて殺人的に可愛いじゃない…!


レンジ君もナナちゃんをずっと見てるし…


「マイコ…どうしたの?ボーッとして」


「あ、いや…」


喜多見先輩が私に声をかけてくる


「それにしても…マイコ…あなた凄いスカート短いじゃないの…パンツ見えちゃうわよ?」


「あ…あははは♪暑いですからねぇ…」


一応、私服じゃそれなりに選んできたんだけど…


スカートも短いし、胸元だって結構強調してるのに…


レンジ君は見てくれない


「…ま、アツイのはほどほどにね?」


喜多見先輩が笑いながら何か言ってくる


「はぁ…」



「レンジ!輪投げやろーよ!」


ナナちゃんがレンジ君を引っ張って輪投げの屋台へと向かう


うぅ…超自然だわ…なんなのあれ…


私もレンジ君と遊びたい…


結局、私は部長にご馳走してもらってるだけに


「…どうしたの?マイコちゃん?」


「え!?」


私がボーッとしてるとレンジ君が話し掛けて来てくれた!


「射的やりたいの?」


「え!?」


目の前を見るとそこには射的の屋台


「え…あ!うん!あ…あのウサギが欲しくて!」


私は適当にウサギのぬいぐるみを指差す


「あれか…」


レンジ君がぬいぐるみを見てると


「なになに?どうしたの?」


ノブアキ君登場


「あ、マイコちゃんがあれ欲しいんだって」


「え?何?ぬいぐるみ?…任せとけよ♪」


……え…?


「ノブはガンシューのゲームも上手いしね♪」


レンジ君がノブアキ君をおだてる


そして


「ほらよ?取れたぜ♪」


ぬいぐるみを手渡してくるノブアキ君


「あ…ありがとう…」


…レンジ君に取ってもらいたかったのに…


お前ぢゃないんだよ!この変態M男!!


…いつか殺してやるわ


「レンジー!ヨーヨーやろーよ!取ってよ!」


「また子供じみた物を…」


「いーでしょ!お祭りなんだから!」


また…レンジ君とナナちゃんは屋台へと向かう


「しかし…仲良いわね…あの2人」


部長が爪楊枝を咥えながら呟く


「ナナは可愛いし…夏休み明けはナナで話題持ちきりねぇ」


喜多見先輩もナナちゃんを見つめながら呟く


確かにそうだ


それくらい彼女は可愛い…


「レンジ、桜川が来てからあまり遊んでくれなくなったなぁ」


ノブアキ君が悲しそうな声で嘆く


そりゃエッチな本をレンジ君の自宅に溜め込むからだ


ナナちゃんだってイヤだろう


「あの2人……いずれは付き合うんじゃない?」


喜多見先輩がとんでもない発言を放つ


「あー!あり得るわねぇ…幼馴染と数年振りの再会、そして恋愛へ…なんてベタな話だし」


「というか、ヤル事ヤッてんじゃない?同居してるし」


喜多見先輩がまたとんでもない事を…


「ラーン!あまり過激な発言しないの!…空気読みなさいっての!」


「だって…面白いだもの♪」


…ぜんっぜん面白くないわ!!


付き合うのは私…!


私が付き合うのよ!!


いや、付き合うだけじゃないわ!!


その先だって考えてるんだから!!




誰がなんと言おうと…私は負けない!!