マイコちゃんとはその後とりとめのない話をして別れた


僕はチエさんの家に向かう


まぁ気分転換も出来たし帰ろう



「あ!ねーねー!」


死者の街で誰かが誰かを呼んでる


「おーい!君だよ!君ぃ!」


ーガシー


いきなり腕を掴まれる


「は?え?ぼ、僕!?」


「そそ!君だよ!……うん、間違いない…」


「は?何ですか?いきなり…」


「あーいや!こっちの話…まぁ君に用事があるから呼び止めたのよ」


「は、はぁ…」


いきなり話しかけられたのは、女子高生


思いっきりギャルみたいな服装だ


「で…なんですか?僕はあなたの事は知らないんですけど…」


「うん、私も知らない…詳しくは」


「は?」


「まーいーじゃん?どっかでお話しよーよ?ね!」


「あ、いや………僕はこれから帰らないと…」


「帰る?…………何処に?」


「何処にって?そりゃウチに…」


「……人間の世界の家の事かしら?」


「!!!!!」


「ははん…やっぱりね…!君、人間でしょ?私には分かるもん」


な…なんで分かるんだ…!


さっきまでお店や街でも気づかれなかったのに!


「たまにいるんだよねー君みたいなコ…死の淵で魂が彷徨ったりして紛れ込んじゃうコ」


ど、どうする!どうやって切り抜ける!!


「まーそーいったのってフツーはコッチの…君達の世界でいう警察に通報すれば帰してくれんだけどさ」


つ、通報されたらマズい!!


しかし、女子高生は


「でも、通報はしない…私も追われてるからね」


「え…追われてる?」


「ま、詳しい話はコッチで…聞かれたらマズいからね…」


…どうする…?


通報なんかはするつもりはないと言ってる…


でも、このままついていったら面倒に巻き込まれる…


「…まぁ、君がマジでイヤだったら構わないよ?それはそれで仕方ないし…」


少し、悲しそうな表情の女子高生


「あ…ま、まぁ…話だけなら…とりあえず…」


「マジ?じゃ、行こう?」


そして、僕は路地裏に連れてかれる


「ここなら大丈夫!で…あ、そうだ自己紹介しよーよ」


確かにこの女子高生の名前は知らない


「私は…マコト」


マコト…男の子みたいな名前だな


「僕は…レンジ…坂崎レンジ…」


「へぇ、弁当あっためれそーな名前♪」


「電子レンジじゃないよ?」


「アハハハ♪まぁ自己紹介も終わったし…君は何でここに迷いこんだの?」


「あ…いや…えと…」


ナナちゃんやエリさんの事を言う訳にはいかない…


どうする…!!?


「もしかして……自殺とか?それで肉体は死に切れず、死の淵を彷徨ってるとか?」


なんだそれは…


しかし、上手く言い訳が見つからない


「まぁ…そんなもんかな…?」


適当に話を合わせる事にした


「そっか………君もなんだね…」


「え…?」




マコトさんは悲しげな表情で僕を見つめる