「はぁ…!はぁ…!」


息を切らすレンジ


立て続けにエリさんの攻撃を防御してるんだから確かにひとたまりもない


「…いくら殺気を出してもダメね…」


エリさんが鉄パイプを投げ捨てる


「痛たた…」


レンジが手をブラブラさせる


防御した時の衝撃が凄くて手が痺れたんだろうな…


「どうしたものかしら…」


エリさんが腕を組む


「ま、まぁ…レンジもあの調子だし…少し休もうよ…」


「そうね…よいしょっと…」


エリさんが近くにある石段に腰掛ける


「レンジ君…あなたって怒った事無いの?」


「い、いえ…全く無いわけでは…」


確かに怒った事はある


私がいじめられた時とか…マイコちゃんにも怒ったらしいし…


しかし、よっぽどの理由が無ければレンジは怒る事は無い


「私にあれだけ攻撃されても?」


「い、いや…エリさんですし…」


「…ふむ……意外に手こずるわね…」


「おーーい、エリぃ!!そろそろ終わりにして部屋に上がってくるっぺ」


チエさんが部屋の窓から声を出す


「…そうね…一旦戻りましょう」


再びチエさんの部屋に戻る私達


すると、部屋からはとてつもなく良い匂いが…


「あら、ご馳走ね」


チエさんの殺風景な部屋とは裏腹に、テーブルには結構なご馳走が並んでる


様々なお料理…


お肉やサラダとか…


結構手が込んでるなぁ…


「チエ、あなたが作ったの?」


エリさんがイスに腰掛ける


「ん、まぁな…何か作ったりすんのは料理も変わんなねぇからな」


「ご飯炊いてドロドロのお粥作ったり殺人的にしょっぱい味噌汁作る誰かさんとは大違いね」


……


私の事だろう…


クスン…


何でみんなお料理出来るんだろう…


「さ、どのみち死神でもお腹は減るっぺ?」


「そうね…頂きましょう?」


チエさんの作ったお料理を頂く私達


しばらくはみんなでとりとめのない会話をする


しかし、レンジが不思議な事を口走る


「そういえば…エリさんとナナちゃんって…どことなく似てますよね…チエさんの言った様に…」


「私とエリさんが?」


「うん…どことなく…だけど…目元とかさ」


「…そうかな?私とエリさんが…?」


「冗談はやめなさい、レンジ君」


ピシャリと…


結構強くレンジに言い放つエリさん


「あ…すみません…」


「…ナナが私の妹とかとでも言いたいのかしら?」


「あ…いや…その…」


少し、気まずい空気が流れる


しかし、エリさんはクスリと笑う


「私の妹だったら、こんな貧相な胸に育って無いわよ?」


とってもヒドい事言うエリさん


「貧乳以下じゃない…無乳?多分、男の子って言っても不思議ではないわね」


「い、いや…それは酷すぎるかと…揉める程度は…」


「揉める程度ってなぁなんなのよ!程度ってなぁ!!」


「ひぃぃ…」


レンジってば更に失礼な事を…


それにしても…そんなにエリさんと私って似てるのかなぁ…


よくわかんないわ…


「ごちそうさまでした」


私達は食事を終え、一休みする


「…しばらくここに厄介になろうかしら…チエは反抗勢力としては認識されてないしね」


「ま、それが良いっぺな…だけんど寝床は無ぇぞ?皆ざこ寝になんぞ?」


「構わないわ」


ざこ寝か…


まぁ今の状況では仕方ないわよね…


とにかく、その日はチエさんのお家にお泊りする事に…


これからどうなるのかしら…