どのくらい、レンジと話しただろうか


小さい時の事


勉強の事


部活の事…たくさんお話をした


ひとしきり話した後、少しの沈黙


でも、別にイヤな雰囲気じゃない


穏やかな…時間…


そんな感じ…


そして、レンジは膝枕のまま私を見つめる


「…ナナちゃん…」


「うん…?何?」





「ナナちゃんさ……また…いなくなったらイヤだよ?」


「え…?何よ急に…もう死んだりしないわ…もう病気じゃな…」


「…そうじゃない…」


レンジは私を見つめたまま話をする


「ナナちゃんが死んでしまった時……僕さ…悲しかった」


「え…うん…」


「ナナちゃんも死んだ後、辛かったって言ってたよね?」


「…うん…」


「自分と一緒に過ごして…家族同然で…しかも初恋の人がさ…死んでしまった残った人生を…生きていかなきゃいけないって思い…もうしたくない…」


「レンジ…」


ーホロリー


レンジの瞳から…涙…


「あんな思い、したくない…!」


「ちょ…!なんで泣くのよ…」


「だって…あの時の事思い出したらさ…」


ーギュ…ー


膝枕の体勢のまま、私の体を抱き締めてくるレンジ


「…いなくならないで…」


「……うん…もう…いなくならないよ…?…ずっと…ずっと…一緒にいよ?」


「…うん…」


私はレンジの頭をゆっくりと撫でる


こんな…甘えん坊さんなレンジ…


初めてだ…


勉強も出来て、お料理も天才


正に抜けの無い男の子の印象のレンジ


そのレンジが…


私をこんなにも必要としてくれてる


胸が熱くなる


「ナナちゃん……好きだよ?」


「うん…私も好きだよ…」


不思議だな…


2人きりになって意識をすれば…


こんな時間を共有出来るなんて…


私は…レンジの頭を抱える様に撫でる


本当に…


愛おしくて…





そんな気持ちが芽生えた時


「う…」


「?レンジ?」


「熱い…ナナちゃん…体が…熱い…!」


「え…?」


「か…体が…熱い!あ…寒い!分かんない…!」


急に苦しみだすレンジ


ま…まさか!


これが覚醒ってヤツ!?


「ちょっと待ってて!今エリさんを呼んでくる!」



私は慌ててエリさんを呼びに向かう