「ど、どうしたんだよ……」

「いや、その、もう大丈夫かと思って」

そう言ってふと思うと、ダイチの隣にあんなの人がいた。

「二人そろったみたいね」

女の人はしゃべりかけてきた。

「え、えっと」

サクラは少し戸惑った。

「私は風。私は風を司るもの」

「この方がオレらを助けてくれたんだ」

ダイチは付け足すように言った。

「今のあなたたちにはあの魔物は倒せません。

村の東を出て南東の方向の洞窟へいったごらんなさい。

きっとあなたたちを成長させるはずです」

もうあの女の人は居なかった。

「おじさーん」

サクラは叫んだ。

おじさんは窓から顔を出した。

「どうもありがとうございました。オレたちはもう旅でます。」

サクラはそう言って、手を振ってもう一度旅に出た。

二度目のエリア2――。

さっき通った方向とは逆の方向へ……

女の人が言ったように、すぐに洞窟は見つかった。

迷わず先に進んだ。

奥に来ると、一匹の精霊が妖精がいた。

そいつの手にはなにやら装備があった。

こっち来いと手と振られた。

そいつは一瞬消えたかと思うと後ろにいた。

「さぁ捕まえてごらん……できたらこれ上げるよ」

精霊は凄まじいスピードで動き続けている。

そっちにいたと思うとすでにあっちに薄暗くて少し広めの洞窟。

どうしても捕えることが出来なかった。

「もうダメだ……こんなことできるわけ無いよ」

ダイチがついに諦めてしまった。

「もう諦めたの?こっちだよ」

小さな小さな精霊はバカにしたように笑いながらそう言った。

「こっちだよ」

次にそういったときは全く逆方向にいた。

どうしたらいい?どうすればいい?

あっちに、次はそっち、その後こっちに来て、またあっちに、

不規則な中に規則的なものが見えた。

「こっちだ。」

サクラは捕らえようとした。

頭では分かってる、次はあっちに行く。

どうしても無理だった。

「サクラ、今だ!!! 縦一線を……」