ずっと坂を下って来た気がする。



帰りは一言も話していない。


坂を降った所で翔太は、自転車を止めた。


「ちょっとよって行きたい所あるけどいい」みゆは、何も言わず頷いた。


それから道を逆に曲がって、少し進んだ所で止まった。

みゆは顔をあげびっくりした。


「海………えどうして……」みゆに翔太は笑いかけた。


「どこに行くと思ったの」その瞬間みゆは、急に恥ずかしなくなった。




「夜明けの海も綺麗でしょ」と翔太に聞かれ、みゆは静かに頷いた。





しばらく2人で腰かけていた。
先に口を開いたのは、翔太だった。


「またギターひきに来てくれない?」みゆはおろどいた。
しばらくしてから、



「良いよ」っと言うと...そのまま海に駆け出した。