「そういえば仁科さんはどこに住んでるの?」




「私は青葉ヶ丘だよ」




「うわっ高級住宅街じゃない?」




「そんなことないない。桐谷さんは?」





「私は響野!颯太もなんだけどね!夏木は新城らしいよ〜」




「みんな同じ方面なんだね」





「ホント!じゃあこれから一緒に学校来ない?」




「うん。そうしよ〜」





思わず、顔がほころんでしまった。
愛想笑いなんかじゃない。
心からの、笑顔。



何年ぶりだろう。すごい。




最後に笑ったのは、あの日だったな…




ハルを失った私に残ったのは涙だけだと思ってたのに。