〜和子side〜
「いち君っ…やめようよ…」
近づく顔。
「本当にはしないから」
それでも嫌だよ…。
優先輩が見てるのに。
嫌だ。
だけどさらに近づく顔に、強く目を閉じた。
優、先輩…
「待て!」
そんな声と同時に、私は後ろに引っ張られた。
そのまま、声の主の腕に受け止められる。
「優先輩…」
そこには確かに、息を切らした優先輩。
どうして、と思うのと同時に涙が滲んだ。
「邪魔しないでもらえますか?」
いち君が優先輩を見据える。
「それは無理だ」
そう言い、優先輩は私の手をとった。
「行こう、和子ちゃん」
「え…」
先輩に引っ張られて、私は舞台から階段を下りる。
「ちょっと待ってくださ…」
ドレスで転びそうになると、優先輩は足を止めて
「ちょっとごめんね」
と言って、私を抱き上げた。
…え!?なに!?
お姫様抱っこ!?


