リミット



そこからは慌ただしく劇が進んで、ついに完結。


舞台のライトが消えて、ほっと息をついた。


すぐにまたライトが光り、私といち君は舞台の真ん中に立った。


わさわさするドレスを軽く持ち上げてお辞儀をすると、会場に拍手が起こった。


よかった…。


無事に成功…かな?


また小さく息をつくと、会場から


「キスしろよー!」


という声が飛んできた。


はっ?なんで?


いち君と顔を見合わせる。


いち君もビックリしてる。


混乱する私たちを置いて、会場は盛り上がっている。


なんてこと言い出すんだ…!


あり得ない!どうしよう!


「和子、フリだけでもした方がいい」


「…なに言ってるのいち君」


優先輩がいるのに。


そんなのできないよ。


「このままだと落ち着かないって」


「幕を閉じれば…」


「批判を買って、明日の劇に影響が出る」


「……っ」


言葉が出なかった。


諦めるしかないの?


いち君の手が、私の肩に触れた。