リミット



「和子、ごめん。本当に好きなんだ」


いち君はそう呟いた。


本当に、私を…。


いち君…。


「…ごめんなさい」


会場に聞こえるようにそう言って、少し距離をとる。


「王子、私はあなたをお慕いしています。
しかし、そのようなことを言われても困ります。
私はただ、あなたと共に生きたいだけなのです」


これなら劇につながるかな?なんて考えながら言葉を探す。


一歩、いち君に近づく。


「ごめんね。私、先輩が好き」


「……」


「本当にごめん」


と、いち君が私の肩に優しく手を置いた。


「すまない。君が愛しくて…。
共に生きたいというのは、俺も同じだ」


いち君…、辛そうな笑顔。


ごめんね。


でも、ありがとう。