リミット



***

「さあ、今日は一回だけだよ。
絶対成功させるよ」


意気込んだ春ちゃんが、そう呼びかける。


動きやすいワンピースの衣装を着た私は、髪を結んでもらって準備中。


「和子、できたよ」


「ありがとう!」


「和子、いいね。似合ってる」


そう言ったのはいち君だった。


「…ありがとう」


なんか返事しにくいなぁ…。


劇が始まるまであと30分くらい。


私たちは舞台袖に移動する。


「なぁ和子」


「何?」


「俺、和子のこと好きだよ」


「はい…?」


このタイミングで何なの?


本番前にやめてよ…。


「そう…なんだ」


あ〜…。そうなんだ。っておかしいよ!


でもこれはいち君が悪いよね!?


「くっ…、ははっ」


「な、なんで笑ってるの?」