ピタッと動きを止めた。
聞こえてきたのは待ち望んだ声だった。
「優先輩!こんにちは!」
私のこと覚えていてくれたんだ。
ちゃん付けで呼ばれた名前はなんだか恥ずかしくて、胸がこそばゆい。
(今、足で開けようとしたのバレてないよね…)
「こんにちは。よく荷物運んでるね」
「雑用係なので…」
「そうなんだ?大変だね」
優先輩の笑顔が見られたから、先輩に会えたからちっとも大変なんかじゃない。
先生、ありがとう。
私を雑用に使ってくれてありがとう。
「あ、珍しく閉じてるね。どうぞ」
優先輩は準備室のドアを開けてくれた。
「ありがとうございます」
さすが優先輩。優しい。
優先輩に会えた嬉しさが胸にじんと染みて、変わらない優しさに鼓動が加速していた。


