リミット



〜和子side〜

文化祭、当日。


あれから先輩とは会わないようにしてきた。


だって、どんな顔をすればいいのかわからない。


「ちょっと和子!暗いよ!
アニーは明るい女の子だよ?」


春ちゃんが横からそう言うけど、私はため息しか出てこない。


「今日は午後に一回だけだからいいけど、
明日はちゃんとしてね!」


明日は午前と午後の2回だったかな…。


気が進まないけど、失敗するのはみんなに悪い。


しっかりやらなきゃ。


「セリフは覚えたか?」


いち君は、衣装の確認をしながらそう聞いてくる。


「たぶん…」


曖昧に返事を返して、なんとなく台本を見る。


こんな気持ちのままじゃ、演技なんてできないよ…。


また息をついて、慌ただしく動くみんなを眺めていた。