リミット



それは突然だった。


和子ちゃんと会う機会がなくて、文化祭が近付いたある日。


「俺、和子と二人で文化祭の劇やるんですよ」


幼なじみ君が、突然話しかけてきた。


放課後の廊下。


きっと、わざわざ俺を待っていた。


「それで?」


つい攻撃的な口調で返してしまう。


しかし気にした様子もなく、淡々と続ける。


「和子は、俺のなんで」


「…は?」


一瞬、頭が動かなくなった。


「付き合ってるの?」


「違いますけど」


「だったらそんな風に…」


「でも、時間の問題ですよ」


含み笑い、とはこんな顔のことを言うのか。


とにかく腹立たしい表情を浮かべる彼に、困惑と苛立ちで言葉が見つからなかった。