リミット



〜優side〜

「優、廊下にあるダンボールに色塗って」


「おーわかった」


そう言われて廊下に出ると、結構な量があった。


え、一人でやるのか?


とため息をつくと、もう一人女子が出てくる。


「手伝うよー」


高橋というサバサバした性格のクラスメイトだ。


「さんきゅー」


「何色に塗ればいいの?」


「青か緑でいいんじゃない?」


「適当だなー。…あ、髪になんかついてるよ」


言いながら高橋は手を伸ばす。


「え?」


俺は屈んだ。


高橋はさらに背伸びをして俺の髪に触れた。


「はい。とれたよ」


「さんきゅー」


「……」


急に、高橋が黙った。


「どうした?塗らないの?」


「髪、触っても嫌がらないんだね」


「は?」


意味のわからない発言に、俺は首をひねった。