リミット



「ごめん…」


しっかりやらなきゃいけないのは分かってる、つもり。


だけど難しい。


「ちょっと休憩!和子、これ3階の空き教室に置いて来て!」


「えー」


春ちゃんまで私に雑用を押し付けて…。


だけど文句を言えるわけもなく、私はドレスを脱いで、教室を出た。


***

3階の空き教室とは、実は優先輩のクラスの隣の教室。


春ちゃんありがとう!


最近、全然優先輩と会ってなかったから、すごく期待してしまう。


私は軽い足取りで、廊下の角を曲がった。


優先輩の教室の前に人がいる。


後ろ姿だけど、間違いない!


「優せ…」


声をかけようとして、やめたのは、クラスから女の人が出てきたから。


そのまま、優先輩と何か話している。