「ドアが閉まってる…」


私は準備室の前で肩をガクリと落とした。

いつも準備室のドアは開いていて、そのまま入れるようになっている。


だけど、なぜか今日は閉まっていて、両手がふさがっている私はこのままだと開けれない。

一度荷物を下ろすのは嫌だと思ってしまう自分がいて、どうにか開けられないかと考えを巡らす。


（足でいく？）


ここのドアは引き戸だからドアノブを回さなきゃダメだけど…意外といけるかな？


「よし」


無謀な挑戦をするために態勢を整える。


「和子ちゃん？」