もうすぐ雑用係からも解放される。と喜んでいる最中に担任の先生が私を呼ぶ声が聞こえてきた。
「中原ー、これよろしくな」
その先生からの言葉に、私は眉間を寄せずにはいられない。
彼には最後まで雑用させられるのだろう。
1年間頑張ったな、っておいしいお菓子くらいくれてもいいと思う。
高校生活もあっという間に過ぎていき、三学期の中頃になった。もう1年生も終わる。
仕方ないから、もう少しの我慢だ、と自分に言い聞かせて席を立った。
「どこに運びますか?」
「準備室に頼んだ」
わざとらしくため息をつき、頼まれた資料を抱えて教室を出た。


