リミット



私は俯いたまま、また首を振った。


すると、扉が開く音が再び響く。


いち君は振り向いて、私も扉の方向に目を向ける。


なんで、このタイミングで…


「優先輩…」


少し目を見開いた優先輩が、そこに立っていた。


「…っ」


私は慌てていち君を突き放し、距離をとった。


いち君は優先輩の方を向いて、ふうと息をついた。


「どーも」


軽い調子でそう言ったいち君を、優先輩は無表情に見る。


私は頭が働かなくて、ただ優先輩を見つめた。


ちらりと優先輩が私を見て、目が合う。


ドクッと心臓が跳ねた。


だけど、すぐにいち君に視線を戻す。


さっきの見て、どう思われたんだろう…。