〜和子side〜
一週間後から、文化祭の練習がはじまった。
私は、いち君とのセリフ合わせが中心的。
いや、私の練習にいち君を付き合わせてるっていったほうが正しいかも。
まだセリフを覚えいない私に、いち君が付き合って練習している状態。
「ほんとにごめん…いち君…」
みんなが舞台の小道具とかセットとかを作っている教室の片隅。
またセリフを忘れた私は、台本を確認して謝った。
「いいって。まだ時間はあるからゆっくりやればいいんだよ」
丸めた台本で、ポンッと頭を叩かれる。
「うー…ありがとう…」
いち君が優しく私を見下ろす。
なんだろう?
いち君って、こんな人だっけ?
昔から優しかった…かな?


