この日から何日経っても優先輩とは会えなかった。 学年が違うのだから当たり前だ。 私と優先輩は部活も委員会も違うし、共通の知り合いだっていない。 接点のない先輩に恋するなんて勝算がなさすぎる。 それでも、廊下を歩いているときは視線を巡らして先輩を探してしまう。 そして出会えなくて、気持ちが沈む。 そんな日々を淡々と過ごして、気づけばもう1年生が終わろうとしていた。