いち君が丁寧に自己紹介をする。


優先輩は、静かにいち君を見据えている。


「どうも。俺は羽柴優」


2人は静かに互いを見つめあう。


え、なにこの感じ。


なんか、ピリピリしてる…?


「和子、悪い。用事思い出した。
案内はまた今度頼む!じゃあな」


いち君が、早口に言った。


「あ、うん。わかった!ばいばい!」


あれ?普通だったかな?


気のせいか。


「小さい頃、近所に住んでた」


優先輩が、ふいに呟く。


「…そうです」


いち君のことだよね?