「一君かあ。懐かしいね」


横から、春ちゃんがそう言っていち君をじっと見る。


「俺、過去の人みたいになってんね!」


あはは!と笑ういち君をスルーして、春ちゃんは私に顔を近づけた。


「格好よくなったね?」


「確かに…」


私は頷いた。


ふふふ…と春ちゃんが笑う。


なに考えてるんだろ?


「一君!今度、文化祭で劇やるんだけど王子役やってもらえない?」


はっ?!


なにを言い出すの春ちゃん!