リミット



〜和子side〜


びっくりした。

顔が熱い。

無意識って…なんですか?!

いきなり頭をぽん、ってするとか…ずるい。

そうやって急に距離を近づけるのは、心臓が飛び跳ねてしまう。


「はー…」


期待させないでください。



足早に廊下を歩きながら、両手で頰を隠した。

今から部活なのに、絶対に顔が赤くなってる。


(落ち着け、私の心臓。平常心、平常心)


自分に言い聞かせながら体育館へと向かう速度を緩めた。