「寒がりなんですね」 「冬は苦手なんだ」 先輩はマフラーに顔を埋めた。 その仕草が、かっこいいような可愛いような。 いや、男の人に可愛いは失礼かな。 (ああ、胸が痛い。私ばかりがドキドキしてる) 顔が熱くて、吹き抜ける冷たい風がちょうど良かった。 先輩はこうやって私と歩いていることをどう思っているのだろう。 ドキドキ…はしてないか。 せめて、楽しいと思ってくれてたらいい。