「ありがたいですけど…でも先輩も自分の勉強があって大変じゃないですか?」


「大丈夫だよ、復習になるからね」


さらりと言ってのけた、私を気兼ねさせない言葉。


(すごい人だな…)


尊敬、憧れ、好き。

何度も話すたびに、優先輩への新しい感情が増えていく。


「お言葉に甘えて、よろしくお願いします」


私は深々と頭を下げた。


「オッケー」


先輩は得意気に笑う。

こんな優しい人と釣り合う人になりたい。

それはどんな人なんだろう、と頭の片隅に疑問が浮かんだ。