高校一年生がもうすぐ終わる。

そこで待ち受けるのは学年末試験。

部活に出るため補習にはなりたくない、ということで私は近くの図書館で1人勉強中だった。


「う〜……わかんない…」


小声でうなってみても数学の問題が解けるようにはならない。

10分数字と向かい合った末、とりあえず休憩!と私はシャープペンシルを机に置いた。


優先輩に彼女がいないと、私の勘違いが解決されてすでに2週間が経った。

あれから会う機会がなくて淡々とした日々をまた送っている。

試験が終われば春休みに入ってしまい、顔を合わせるタイミングがさらになくなる。


(あー、このまま会えないで休みに入るのかな…。先輩の声が聞きたいな…)