リミット



休日が明け、今日は水曜日。

練習試合の日から優先輩とは会っていない。

いつもなら一目だけでも見たい!と悲しむところだけど、今は少し安心していた。

顔を合わせても、まだ笑える自信がない。


「中原、次使う資料持ってきといてくれ」


昼休みに入ろうとした時、国語教師は教室の出入り口から顔を出して私に言った。


「はーい」


会って話すのは気まずいから、先輩に会う可能性が高くなる場所には行きたくない。

そうは言っても先生の指示を無視するわけにはいかないので、ため息を飲み込んで立ち上がる。


「ごめん、行ってくるね」


話していた友達にそう伝え、私は資料室に向かった。