「じゃあ片付け終わったら解散ー」


私の横で、部長がみんなに伝える。

はーいとそれぞれの部員が答える中、私は心にぽっかりと穴があいたような気持ちで立ち尽くしていた。


***

「おつかれ、和子ちゃん」


体育館を出てすぐの私に、優先輩が声をかけてくれた。


「来てくださってありがとうございました」


私は意識して笑った。


「本当にスパイカーなんだね。すごかったよ、びっくりした」

「ありがとうございます」


(…私、今まで優先輩とどんな風に話してたっけ)


「和子ちゃん?」


いつのまにか俯いていた私を、優先輩がのぞき込むように見る。


「え?あ、すみません!」


とっさに口をついた言葉。

私は一体何に謝ってるんだろう。

取り繕う言葉を探そうと口を開けるけれど、頭の中がぐるぐるするだけで考えがまとまらず何も言わずに閉じた。

目の前に優先輩がいるのに、悲しくなる。


「和子ちゃん、大丈夫?体調悪い?」


優先輩の手が、私の肩に触れた。