練習試合、当日。


会場は私達の高校の体育館で、会場準備はすでに終わっていた。

もうすぐ試合が始まる時間だ。

練習とはいえ試合前は緊張するのもだ。

緊張の理由が他にもあることは分かっているけれど見ないふり。

でも、意識しないようにしている時点で意味はない。


「和子、どうしたの?キョロキョロして」


「いや!なんでもない!」


(そんなにキョロキョロしてたかな…)


だって先輩がいない。

やっぱり土曜に学校に来るなんて、しかも大して接点もない後輩のためになんて、めんどくさかったのだろうか。

(それはそうだろうけど…だけど寂しいな…)



「集合ー!」


部長の声で整列する。

試合が始まってしまった。