「俺の家、来る?」
その言葉に心臓が大きく跳ねた。
でも、楽しそうな笑顔に惑わされちゃダメだ。
「…またからかってますね」
「ばれた?和子ちゃんで遊ぶの楽しくてさ」
「遊ばないでください…」
駅前の道を歩きながら、優先輩がまた笑う。
私は、熱い顔を誤魔化して隣を歩く。
私ばっかりドキドキして、不公平だ。
「あ、でも」
前を向いていた優先輩が、またこちらに顔を向ける。
「俺以外に遊ばれたらダメだよ」
おさまりかけた顔の熱が、ぶり返した。
「は…」
かたまる私に、優先輩は吹き出す。
またからかわれた…。
もう、優先輩には敵わない気がする。
火照る顔を、まだ少し冷たい春風が冷やしていった。


