「ほら、和子も呼んで?」
「な、何をです…?」
いや、わかってますけど…。
笑っているだけの優先輩。
覚悟を決め、うるさい心臓を落ち着かせ
同じように耳元に近付く。
「優…」
…恥かしい!言われるのより恥かしい!
顔に手を当てて悶える私を、優先輩はまた抱き締める。
「和子」
寂しいけど、大丈夫。
ちゃんと心は繋がってる。
抱き締める腕の強さに、私は確信した。
きっとこの先、何があっても一緒。
タイムリミットなんてなければいいのに。
永遠に一緒にいられたらいいのに。
そう思うのは、ばかなのかもしれない。
顔を上げれば絡まる視線。
夕日に染められた私たちは、ゆっくりと唇を重ねて、小さく笑い合った。
終


