(本当なのに信じられてない気がするな…)


というか、その顔は反則。

からかわれてるのにドキドキするなんて、もう戻れないほど優先輩に惹かれているのだと悟った。


「試合見れば分かってもらえます!」


「じゃあ時間あったら行こうかな」


え、試合見に来るってこと…?

試合中はひどい顔してるだろうし、それに汗でボロボロだろうし…見られたら困る。


「楽しみにしてるよ」


にこりと笑ったその笑顔は絶対にからかっている。


「た、楽しみにしててください!」

強く握ってしまい、端がよれてしまった新入生への資料を気にする余裕もないまま、私は優先輩に言いきってみせる。

不敵に笑う優先輩への、精一杯の強がりで抵抗だった。