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「先輩のクラスは何やってた…かな?」


一回目の劇が無事に終わり、制服に着替えた私は3年生の教室のほうに向かっていた。


一緒に文化祭を回ると、優先輩と約束したから。


「あったー」


…うぇ?お化け屋敷?


優先輩のクラスだけど、入るのは無理そうだ。


…悲鳴とか聞こえるし。


「和子ちゃん」


「ひぃ!…あ、優先輩」


急に声をかけられて、ビクッと体に力が入る。


同じく制服姿の優先輩がそこにいた。


驚いた私にビックリしている。


「ごめん。そんなに驚いた?」


「少し…」


苦笑いしながら、ちらりと後ろのお化け屋敷を見やる。


「俺のクラスの、入ってみる?」


「えっ、いや…えっと…」


にこりと優先輩は笑う。


「たぶん楽しいよ」