リミット



私を軽々と持ち上げて、静まりかえった会場を歩く。


何が何だかわからない。


とにかく恥ずかしくて、私は顔を伏せている。


会場を出た瞬間、ワーっと盛り上がる声が聞こえただけだった。


***

「下ろしてください!私、重いです!」


「重くないよ。和子ちゃん小さいから」


それ以上に恥ずかしいのですが…。


「和子ちゃん、顔上げて?」


「…無理です」


顔が近くて、ドキドキする。


「ふっ…顔真っ赤」


「〜っもう、下ろしてください!」


「はいはい」


笑いながら、ゆっくりと私を下ろした優先輩は空き教室の扉を開けて入っていく。


「和子ちゃん」


呼ばれて後についていく。


「ごめんね。連れ出して」


「いえ!助かりました」