『僕が始めて…?仁凪とかはつれてこられなかったんですか。』
『…仁凪さんのことは愛姫から聞いたことあったんだけど、連れてこようとしたことなんて1度もなかったわ。』
『じゃあ、なんで愛姫は僕を連れてきただろ…?』
『…それは愛姫が優兎君のことを……いや、それについては貴や方自身で解決するといいわ。』
「僕自身で…か。」と独り言をポツリと呟くと家の近くまで帰ってきてることに気がついた。
また考え事に気を取られていたみたいだ。
自分の家の玄関に行くと人が座っていた。
こんな時間――午後8時――に僕の家に来れる人なんて一人しかいない。
僕は聞こえるか聞こえないかくらいの声で名前を呼んだ。
