僕は一瞬、何がおきたのかわからなかった。
…が、冷静になってみると、愛姫が僕のことを後ろから抱きしめて、僕は動けない状況になっていた。
「愛姫…?」
「あっ…えっと…ごめんなさい」と言いながら抱きしめていた手を離そうとする愛姫の手を僕は握り締めた。
「え、優兎…?」
「…言いたいことあるならいって。」
「……優兎、ありがとう。昔も今も変わらずにいてくれて。」
そういった愛姫の声は震えていた。
きっと泣いているのだろう。
そう思うと、愛姫は昔からそういうところは変わってない気がした。
「僕と色と愛姫の3人で幼馴染み…なんだから気にすることないよ。」
そういいながら僕は愛姫の手を離した。
それにつられるように、愛姫も手を離し、「じゃあ優兎、また明日。」だけ言い残し、部屋の奥へと行ってしまった。
その姿を見てから僕も、家に帰った。
